なぜ今ヌードなのか?!
絵画の主題《裸婦》若江漢字
2014年11月14日[金]- 1月25日[日]
10:00-18:00(入館は17:30まで)
毎週:月・火曜休館
入館料/一般600円、学生500円(小学生300円)
■ 2014年 12月7日(日)14:00~ 作家を囲んでの茶話会 (会費:1000円/入館料を含む)
若江漢字氏が自作について語ります。トーク終了後、一服のお茶と歓談をお楽しみいただきます。
■ 2015年 1月18日(日)14:00~ スペシャル・プログラム 巖谷國士 ★ 特別講演 先着50名(要予約)
「ヴィーナスは裸にされて、さえも」マルセル・デュシャンと若江漢字
若江漢字は1960年代後半より美術家として国内外で発表を続け、これまでに写真を使用し「視覚」の問題を哲学的に問うコンセプチュアルな作品や政治、経済、環境問題等を含む社会的なテーマを扱ったインスタレーションなどを数多く手掛け、その年代ごとに特徴的な表現で注目を集める作品を制作している。
本展では絵画の古典的なテーマとして様々なアーティストによって繰り返し描かれ、作品化されて来た「裸婦」に挑んでいる。クラーナハやゴヤ、アングルらが残した名作からの巧妙かつ大胆な引用などを交え、独自の視点と解釈によって制作された新作絵画を中心に展観する。
「裸婦」については現在、ポルノを含めれば裸の女性像は巷に氾濫し、何かそれだけでは特別な領域として意識付けする事が困難に感じられる。かつて絵画の象徴的なテーマに掲げられた「裸婦」は過去のモノと捉える見方も強くある中、本展で若江氏が「裸婦」をテーマにどのような切り口で作品を構築し、新たな扉を開くのか非常に興味深い。
私は21世紀の絵画のあり得べき姿を模索する中で、もう一度絵画芸術と呼べるような、物語性や豊かで謎に満ちた、近代以前の古典的姿=社会が芸術家にテーマを与えていた時代の芸術「テーマ主義的絵画」をこの21世紀的な視線で再生したいと考えるようになった。
それで数年前にはキリスト教をテーマとした連作を発表し、今回は絵画の主題(テーマ)としての”裸婦”に挑戦している。 この2大テーマを乗り越えた後に、私はその経験を生かしたペインティングではなくピクチャーと呼ぶべき豊かな背景を持つ様式美に満ちた絵画制作を続けたいと念願している。
若江漢字
KANJI WAKAE “Theme of Paintings: Nude”
November 14 (Fri) 2014 – January 25 (Sun) 2015
10:00 – 18:00 (Last admission 17:30)
Closed on Mondays and Tuesdays
Admission:
600 yen for adults
500 yen for students
300 yen for elementary school students
Teatime Talk with Artist
December 7 (Sun) 14:00-
(1000 yen inclusive of admission to the museum)
Kanji Wakae has started his career in late 60s and continuously exhibited works domestically and internationally. His works include conceptual photographic works challenging visual perception and installations featuring political, economical, and environmental issues, each of which is representative of respective era.
The present exhibition features nude, which has been a classic theme in paintings. Including skillful, daring citations from masterpieces of Cranach, Goya, Ingres, etc., Wakae’s new paintings have been created from his unique point of view.
Provided that pornography is a form of “nude”, “nude” is ubiquitous in the current society and might appear difficult to be featured as something special. While one might think “nude” is a quite outdated theme in the modern art, we can find significance in Wakae’s attempt to discover a new horizon by constructing works with “nude”.
Translation by Miho Ida