磯谷博史 回復
2026年3月12日[木]- 5月17日[日]
10:00-17:30(入館は17:00まで)
毎週:月・火・水曜休館
入館料/一般800円、学生600円(小学生400円)
■ オープニング・パーティー 3月14日[土]14時より
オープニングに合わせて磯谷博史氏によるアーティスト・トークを行います。
■ 会期中、4月29日および5月4日、5日、6日、は開館いたします。
磯谷博史は東京藝術大学で建築を学んだのち、同大学大学院およびロンドン大学ゴールドスミス・カレッジで美術を学びました。磯谷が用いる写真や彫刻、そしてドローイングは、静止した過去の記録ではなく、観賞者と現在を共有する〈出来事としての作品〉として振り付けられ、空間に据えられます。
本展「回復」では、二つの主要な作品シリーズが展示されます。写真作品《パンゲアの破片》は、第二次世界大戦末期に破壊されたオーストリア・ロースドルフ城の陶磁器片を、ミルクに浮かべ撮影したものです。ミルクは再生を象徴する小さな儀式の場として機能し、破壊の鋭い輪郭を包み込み、かつて器であった姿を私たちの想像のうちに呼び戻します。ここで試みられているのは、失われた形を物理的に復元する修復ではなく、分かたれたもののあいだに新たな関係を見いだすことによる、精神的な側面からの回復です。
一方、陶芸作品《活性》は、釉薬を纏わない素焼きで焼き締められた作品です。その素材には、磯谷が購入し集めた約5000年前の土器片が用いられています。原始の人々が野焼きで焼成し、使用し、壊れていった断片を、いったん泥へと戻し、粘土と混ぜ合わせ、現代において二度目の焼成を施す。磯谷は過去を単に引用するのではなく、時間を跨いだ共作として、過去の創造性を現在へ置き直しています。《活性》が表明するのは、物質の再利用にとどまらない、静止していた知をいま再び作動させるという態度です。
二つの作品が共有するのは、破壊を沈黙のままにせず、断片に潜む記憶や創造性を現在のうちに呼び起こし、新たな思考へと接続していく姿勢だと言えます。〈なおすこと〉は〈つくること〉へと連なりうる。本展は、その回路を作品と鑑賞者の関係のなかに提示します。
HIROFUMI ISOYA
“Restoring”
March 12 (Thu) – May 17 (Sun) 2026
10:00 – 17:30 (Last admission 17:00)
Closed on Mondays, Tuesdays and Wednesdays
■ Opening Party: Saturday, March 14, from 2:00 PM
An artist talk by Hiroshi Isotani will be held in conjunction with the opening.
Admission:
800 yen for adults
600 yen for students
400 yen for elementary school students