1980年代半ばよりアーティストとしての活動を始めた小泉俊己氏は、鉄を主体に様々な素材を扱い、詩的で物語性のある独自の作品世界を確立、2011年の中原悌二郎賞の受賞など、その作品は高く評価されている。 現在は多摩美術大学で教授として後継の育成にも尽力し、若手作家に発表の場を与える企画展等のプロデュースも行っている。
小泉氏の近作のテーマとしては、よりスケールの大きい対象物へのアプローチを試みている様に思われる。物理的なスケールを記憶や体感と言った心意的な観測で捉え直し、再構築する事で「地勢」や「天体」と言った長大な事物を作家自身の作品世界で掌握し、観る者をその中へと引き込む。 本展では会場の立地を生かし、展示室のガラス越しに広がる自然林と対峙するよう配置された新作の彫刻を中心にしたインスタレーション等を展観する。
第一展示室では、鉄を中心にした彫刻を室内に配置し、窓外の風景をも取り込んだインスタレーションを展開する。 第二展示室は、触覚的視点とスケールについての考察をテーマに彫刻を展示する。その他ドローイング等を出品する。