若江漢字 ・ 解読された「大ガラス」
 
Marcel Duchamp「大ガラス」の謎、その答えとしての絵画展


2015年
8月5日(水)〜9月27日(日)

A.M.10:00-P.M.6:00(入館はP.M.5:30まで)
ただし、
最終日9月27日の観覧は13時で終了いたします。
毎週:月・火休館 9月21・22日は休館になります。

入館料/
一般600円、学生500円(小学生300円)


News!
第二展示室+ラウンジにて 《中島克童 陶展》同時開催中


特別イベント
8/23(日) 15:00〜

若江漢字/アーティストトーク(要予約)


9/27(日) 開場15:30 開演16:00
高橋アキ/ピアノコンサート(チケット要予約)


※ブログをはじめました。美術館からのお知らせや日々の様子をお伝えします。

第一・第二展示室

若江漢字・解読された「大ガラス」展
デュシャン100年の謎は解明された!!

 マルセル・デュシャンの「大ガラス」に込められた謎を解明し、制作された若江漢字の新作絵画の展示。本展では作品完成までの過程で生まれた制作資料や参考模型なども合わせて展示いたします。

若江漢字・解読された「大ガラス」展

 100 年の謎は解明された。20 世紀最大の謎とされたマルセル・デュシャン(1887-1968 年)の『彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも』通称『大ガラス』は、制作から100 年目に解読され、その解答としての作品がほぼ原寸大の絵画として展示される。

上下2段からなる厚板ガラスに描かれたデュシャンの「大ガラス」は今日まで連金術や機械化時代の不毛な性愛を描いたものとされて来たが、その不可思議な図像を改めて分析すると西洋美術史の伝統に根ざしたキリスト教を主題としたガラス上の宗教画であった事が了解される。

上段はギャラリストのシドニー・ジャニスも指摘するようにイエスの母マリアが天の王国へ召される「聖母被昇天」としての場面が抽象的な形体法によって描かれており、更に不可解な下段は、謎めいた図形が遠近法を駆使して完璧に配置された地上の図で上段がそうであるなら下段はマリアの婚約者選びと結婚、そしてイエス誕生の物語がガラス面全体に描かれていると私は考えるのである。

デュシャンの「大ガラス」は近代芸術が無効とした遠近法や宗教画に代表される絵画の主題主義の2 大要素をこともあろうに前衛の帝王とされたデュシャンが再評価し「大ガラス」に取り入れ、陳腐とされた古典的諸要素を斬新で独創的な手法によって「大ガラス」に導入し蘇らせたデュシャンの驚異的な宗教画の大傑作だったのです。今回私が100 年の謎に対する解答として「大ガラス」の全ての図像を有り得べき元の姿として読み解き再構築して完成させた200 号の大作を展示します。

是非、本展会期内に多くの方々にご高覧いただければと願っております。

2015 年7 月 若江漢字

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