上矢 津

1942年・東京に生まれる。

1970年代に、シルクスクリーン・プリントによる作品を多く制作する。第五回ジャパン・アートフェスティバル(1970年)で受賞。その後、各国の版画ビエンナーレに出品、イギリス、ユーゴスラビア、アメリカ、ノルウェーなどで数々の賞を受ける。第八回東京国際、第十回リュブリアナ国際、第四回ブラッドフォード国際、第六回クラコウ国際、第一回世界版画コンペティション(USA)などで注目される。
シルクスクリーンフロッタージュ、重ね刷り、コラージュ、吹き付け、カラーコピーなど先駆的に発表。写真をメディアに使うことが多く多彩に表現する。版画の範疇にとどまれず、1980年代になって版画技法から離れ、平面のみならず立体も制作。直線から曲線へ、情緒と観念、固有と共有など概念(コンセプチャルアート)の試行錯誤を重ねる。居住地、埼玉県のオオタカ保護、ゴルフ場開発反対運動など、自然保護運動に参加。1990年頃、自然を傍らにすることによって、自然循環の「円」そのものを考えるようになる。日本自然保護協会の観察指導員でもある。元東京芸術大学美術学部非常勤講師。



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